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三浦 正智 先生

2023年4月、熊本市中心部から東へ約10km、九州自動車道のインターチェンジからほど近い県道沿いに、脳神経疾患を専門とするみうら脳神経クリニックが開院しました。院長の三浦正智先生は、来院する患者さんに満足感や安心感を得て帰ってもらえる診療を提供したいという思いのもと、開業時からMRI装置とCT装置の両方をそろえ、正確な診断結果をできるだけ早く説明することにこだわって同院を運営してきました。その結果、開院以来、外来患者数は順調に増加し、脳神経疾患の専門的なクリニックでありながら1日平均約60人に達しています。地域医療に対する三浦先生の思いと、その実践を支える設備の運用について、お話を伺いました。

 当院の診療を支えるMRI装置とCT装置を開業前、選定するにあたっては、急性期病院の勤務医として地域のクリニックと病診連携していた当時の経験も振り返りながら、いくつかのポイントを重視しました。
 MRI装置についての最重要ポイントは、高画質であることでした。勤務医当時、紹介された患者の紹介状に添付されていた脳画像の画質が不十分なために的確に評価できず、再撮影を余儀なくされたケースがしばしばありました。やはり脳画像を評価して診断をつけるためには、1.5T以上のMRI装置が必須であると考えました。また、頭部以外の全身が撮影可能であることも、もう一つの選定ポイントとしました。導入した装置を活用し、周辺の整形外科クリニックなどからの受託検査にも対応することを想定していたので、必要な条件と考えました。そのうえで、導入コストに見合った装置であるかどうかを慎重に検討しました。最終的には、コイルがオプション扱いでなく装置購入費用に含まれているなど、リーズナブルと感じられたことが決め手となり、Siemens Healthineers製装置を導入しました。導入後は実際に十分な画質の画像が常時得られており、当院の診療に対して期待どおりの役割が果たされていると感じています。
 他方、CT装置に関しては、頭部評価が主な使用目的であり、他の部位や臓器を撮影するケースは少ないと想定されたので、高性能の装置は必要ないと考えました。であれば、営業やアフターサポートの窓口が1つのほうが効率的で便利と思い、すでに導入を決めていたMRI装置のメーカーであるSiemens Healthineersに、該当するようなCT装置があるかを問い合わせました。結果として、頭部評価に必要な画質を担保しながら比較的短い時間で撮影できるCT装置を提案してもらえたので、その装置に決めました。
 なお、装置選定をクリニック経営者の視点で考えると、導入した装置が長持ちしてくれることも重要と言えます。そのため、装置導入から約1年半が経過した現在では、メーカーによるアフターサービスの体制やツールなども確認しておくとよいように思います。例えばSiemens Healthineersの装置では、使用する複数の装置をオンラインで一元管理できる「teamplay Fleet」という無償の専用ポータルサイトを使えます。装置を選んでいた際には全く知らず、導入後しばらく経ってから使い始めたのですが、当院の技師から、日常点検が非常に簡便になり、点検の質が保ちやすくなったと聞いています。さらに点検結果は自動的にメーカーに共有されているそうで、メンテナンスを適切なタイミングで提案してもらえることに大変安心感があります。

※CT装置とMRI装置の日常点検については、厚生労働省の通知「医療機器に係る安全管理のための体制確保に係る運用上の留意点について」(2007年3月発出1))の2018年6月2)および2021年7月3)の改正によって、毎日の始業時および終業時の点検が義務付けられている。

1) 平成19年3月30日付医政指発第0330001号・医政研発第0330018号通知
2) 平成30年6月12日付医政地発0612第1号・医政経発0612第1号通知
3) 令和3年7月8日付医政総発0708第1号・医政地発0708第1号・医政経発0708第2号通知


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