シーメンスヘルスケア株式会社(東京都品川区、代表取締役社長: 森秀顕、以下、シーメンスヘルスケア)は本日、このほど完成したアドバンスト・モビリティ・ソリューション「Medical-ConneX(メディカル・コネクス)」の1号機を、医療法人伯鳳会 東京曳舟病院(東京都墨田区、以下、東京曳舟病院)に納入しました。
Medical-ConneXは、伯鳳会とシーメンスヘルスケアが2017年4月に締結した「救急災害医療を中心とした医療機器の運用およびサービスに関するパートナーシップ」に基づき、国内で開発した世界初*1のモビリティ・ソリューションです。今回の納入は、検体検査と画像診断機器を車載した検査用車両と電源供給のみならずITシステムや物品保管庫を配した電源用車両の2台の構成となっています。
高度な救急医療を行う東京都指定の災害拠点病院ならびに東京DMAT*2指定病院である東京曳舟病院に、このたび納入されたMedical-ConneXは、地震・台風等の自然災害や事故・テロ等の人為的災害現場で、迅速かつ高精度な救命救急医療の一翼を担うことになります。スムーズな出動と運用を行うために、東京DMATをはじめとした災害派遣チームとともに定期的な訓練に参加し、発災時には多くの命を救うため被災地に「駆けつける病院」を目指します。
Medical-ConneXは、救命救急における外傷初期診療のプライマリーサーベイ*3の必要項目に対して、その場で適切な検査を行える検体検査機器や画像診断機器を搭載しています。検査用車両には、世界で初めて*1CT装置、免疫生化学分析装置、超音波装置を同時搭載し、車両拡幅機能によって効果的なワークスペースの確保が可能です。電源用車両には、発電機、注射薬・医薬品のための冷蔵庫、試薬保存のための恒温器や管理薬物などの物品保管庫に加え、検査用車両で生成される画像データ、検体検査データやベッドサイドモニターのデータなどを一元管理する統合医療情報管理システムや、画像診断の専門医が不在の状況下でも、迅速で正確な画像診断をサポートするAI画像解析ソフトウェアを搭載することで適正な診断が行えるようにしています。検査用車両と電源用車両を独立させたことにより、さまざまなケースに柔軟に対応できる拡張性があります。さらに、車載された検査装置の安定的な動作や試薬の迅速な補充ができるよう、室内の温湿度や車両位置をリアルタイムでモニタリングできるシステムを搭載し、医療現場の救命活動が滞らないようサービス体制にも万全を期しています。
*1: 2021年11月9日現在、自社調べ
*2: DMATはDisaster Medical Assistance Teamの 略で、震災などの自然災害や交通事故や爆発などの災害現場に派遣される医療チームのこと。東京都では、東京DMATが2004年8月に日本で初めて設立された(東京都福祉保健局HPより)
*3: 一般社団法人日本外傷学会(JATEDC)「外傷初期診療ガイドライン」による
Medical-ConneXについて
患者とドクターが「つながる」こと、いつどこにいても質の高い医療に「つながる」ことをコンセプトに、シーメンスヘルスケアが国内で開発・設計した新しいモビリティ・ソリューションです。自然災害やテロなど緊急性の高い救急災害の現場に医療を迅速に届けることに重点を置きながらも、新型コロナウイルスなどの感染症対策や健診、往診、巡回診療にも対応できるよう、一般病院で使用するCT装置や検体検査装置、AIソフトウェアといった幅広い装置やシステムなどを大型車両に搭載したことで“動く病院”を実現しました。災害時と平時での使い分けができるため費用対効果の向上にも貢献します。