測定原理
フローサイトメトリー法
細胞分析はサンプルをシース流で包みながら分析するフローサイトメトリー技術を用いています。この方式により、細胞の同時通過を最小限にできます。分類のスレッシュホールドは、測定ごとに最適化され、二つのチャンネルの相互監視により分類されます。
ペルオキシダーゼメソッド
白血球分類ではペルオキシダーゼ染色が中心で分類が行われ、総白血球数の測定は二次的に使用されます。
まずは界面活性剤を使って白血球を球状にして細胞膜を半固定化し測定を行います。PEROXチャンネルでは細胞表面だけに固定化し、細胞内部のペルオキシダーゼ活性を失活しないようにします。同時に界面活性剤で細胞膜に穴を開け、ここから反応用の試薬を細胞内に入れペルオキシダーゼ呈色反応(紫黒色、4塩化1ナフトール酸化型色素体)を行います。
ADVIA2120では、通常の5分類のほか、ペルオキシダーゼ陰性大型細胞(LUC)を報告します。通常はウイルスにより活性化されたリンパ球、形質細胞、ヘアリー細胞、小児リンパ球、ペルオキシダーゼ陰性の芽球がここに位置します。
① ノイズ
② 有核赤血球
③ 血小板凝集
④ リンパ球と好塩基球
⑤ LUC(ペルオキシダーゼ陰性大型細胞)
⑥ 単球
⑦ 好中球
⑧ 好酸
Baso/核分葉チャンネル
Basoチャンネルは、総白血球数測定の一次チャンネルとして使われます。Baso試薬により、赤血球、血小板、好塩基球以外の細胞膜を溶解します。
Basoサイトグラムでは、核密度によりプロットされ、クラスター分析を行います。
① ノイズ
② ブラスト
③ 単核球(単球及びリンパ球)
④ 好塩基球
⑤ 好塩基球の疑い
⑥ サチュレーション(気泡あるいは特殊細胞)
⑦ 多形核白血球(好中球及び好酸球)
高角度散乱光(核密度)をX軸に、低角度散乱光(細胞の大きさ)にプロット
白血球モフォロジーフラッグ
- ATYPS – 異型リンパ球
- NRBC – 有核赤血球
- Blasts – 芽球の疑い
- LS – 左方推移
- IG – 幼若顆粒球
アドヴィア2120の白血球分類の概要
- 2法(Perox、Baso)の白血球数カウント及びフラグによる低スメア再検率
- 少ない白血球分類不可検体
- 骨髄性とリンパ性白血球の明確な分類
- LUCを含め、独自の6分類による臨床情報提供
- 白血球分類と経時検体の正確な分類
- WBC 400,000/μℓまでの直線性拡大