ALP, LDのJSCC勧告法変更共通のものさし:勧告法(測定法)が変更

2020年4月1日より、アルカリホスファターゼ(以下ALP)と乳酸脱水素酵素(LD)の日本臨床化学会(以下JSCC)の勧告法が国際臨床化学連合(以下IFCC)の標準測定操作法と同等な方法へと変更されます。また、JSCCでは2021年3月31日までに変更完了を達成することを目標として掲げています。特にALPの測定値は、現行法に比べておよそ1/3になることがわかっており、患者や臨床医への影響は大きいと考えられます。
共通の「ものさし」となる勧告法(測定法)が変更されることにより、患者の測定値はどのように変わり、また、どのようなメリットがもたらされるのでしょうか

なぜIFCC法へ変更するのでしょうか

JSCC 酵素・試薬専門委員会ALPプロジェクト副代表 星野 忠 先生 
  • 小腸型ALP現行法(JSCC法)は臨床的意義が認められない高値が出現する場合がある
  • 胎盤型ALPはJSCC法ではJSCC法よりも反応性が低い特長があり、小腸型とは逆の方向で乖離がある
  • 国際的な治療指針を利用する場合や治験データとしての利用にも支障をきたしていた
     

患者や臨床医にはどのようなメリットがありますか?

疾患と無関係なALP活性上昇を見きわめることができるようになり、ALP本来の肝、骨疾患の臨床的意義が向上します。また、測定値を海外と共有でき、国際的な治験や治療への参画時に利便性が向上します。臨床医のみならず、研究医にとっても恩恵となると期待しています。 

変更に際しての注意点は?

Kushiro-team
市立釧路総合病院 医療技術部 検査科の皆さま

変更後は、ALPの測定値自体が現行の1/3程度の数値になります。これまで共用基準範囲を採用していた医療機関においても、新たな基準範囲を使用することになります。まずは数値が変わることに注意すべきでしょう。
換算係数を使用する場合は換算については限界があることを認識していただく必要があります。

詳しくはPDFでご覧ください。