高感度トロポニン心筋梗塞の早期診断のために

高感度:IFCCタスクフォースが定める心筋バイオマーカーとしての高感度トロポニンアッセイの要件に適合

心筋トロポニン(cTn)は感度ならびに心筋特異性が高いことから、急性心筋梗塞(AMI)診断におけるバイオマーカーの第一選択とされています。急性心筋梗塞の国際定義(Universal Definition of MI)では、急性心筋梗塞(AMI)診断における心筋トロポニン(cTn)の基準値を「健常人の 99 パーセンタイル値」と定め、「その基準値における変動係数(CV)が 10 %以下である」(広義の)高感度測定を急性心筋梗塞(AMI)の診断に用いることを推奨しています。また、99 パーセンタイル値より低濃度域において、健常者の 50 %以上がLoDを超えた濃度として測定できること、99 パーセンタイル値において、男性および女性のカットオフ値を別々に識別できることが推奨されています。


また、2015年に欧州心臓病学会(ESC)より発刊されました『Guidelines for the management of acute coronary syndromes in patients presenting without persistent ST-segment elevation』には、「健常人における心筋トロポニン(cTn)の検出率が50%以上である」(狭義の)高感度測定を用いた0/1時間ルールイン・ルールアウト アルゴリズムが掲載されました。2018年に第4版へ一新されました『Fourth Universal Definition of Myocardial Infarction』においても、(狭義の)高感度測定を使用すれば心筋トロポニン(cTn)の連続測定による診断の際、2回目の心筋トロポニン(cTn)検査までの時間を短縮できることが示されています。

さらに、2020年に発刊された欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインでは、2015年と比較し、以下のように大きく5つのポイントで改訂されました。

  1. High sensitivityトロポニンアッセイ が推奨され、 入院直後に測定して60分以内に結果を得られる事 [Class I rec; Level B evidence]
  2. 0/3hアルゴリズムが検証済のHigh-sensitivity (or sensitive) トロポニンアッセイ が使用可能な場合は、0/1h アルゴリズムの代替えとして、0/3hアルゴリズムでの迅速ルールイン/ルールアウトを検討. [Class IIa; Level B]
  3. 0 / 1hアルゴリズムが検証済のHigh-sensitivityトロポニンアッセイが利用可能な場合は、ESC 0 / 1hアルゴリズムを推奨。0 / 1hの結果が決定的でなく、臨床状態がまだACSを示唆している場合、3時間後の追加のテストを実施。 [Class I; Level B]
  4. 0/1hアルゴリズムの代わりに、0/2hアルゴリズムが検証済のHigh sensitivity トロポニンアッセイが利用可能な場合は、ESC0/2hアルゴリズムを推奨。 [Class I, Level B]
  5. 初期診断では、追加のマーカーを定期的に測定することは推奨しない (e.g. h-FABP, copeptin)

ESC2020ガイドライン3.3.4.1 (P15)
NSTE-ACS(虚血性心疾患)が疑われる場合、4つの臨床変数がhs-cTNに影響すると記載があります。

  1. 年齢
  2. 腎機能障害(心臓病)
  3. 胸痛発症経過時間
  4. 性別

Atellica IM用の男女カットオフ値(Sex-specific 99% tile)は以下の通りです。

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2015年に欧州心臓病学会(ESC)より発刊されました『Guidelines for the management of acute coronary syndromes in patients presenting without persistent ST-segment elevation』には、「健常人における心筋トロポニン(cTn)の検出率が 50% 以上である」(狭義の)高感度測定を用いた 0/1 時間ルールイン・ルールアウト アルゴリズムが掲載されました。この 0/1時間 アルゴリズムを "ケミルミ hsトロポニン I" へ適用する際の試薬固有の判別値が掲載されています。その他、ガイドラインの要点やトロポニン値の解釈における留意点(アドバイス)など、"ケミルミ hsトロポニン I" に関して臨床から測定に至るまで重要な点を集約しています。

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心筋梗塞(MI)に関連するガイドラインの概説に続いて、急性冠症候群(ACS)診療におけるバイオマーカー活用のポイントが記載されています。特に高感度トロポニンに関しては、広義の高感度トロポニンと狭義の高感度トロポニンを明確に区別し、2015年に欧州心臓病学会(ESC)より発刊されました『Guidelines for the management of acute coronary syndromes in patients presenting without persistent ST-segment elevation』へ掲載の「(狭義の)高感度トロポニン測定を用いた非ST上昇型急性心筋梗塞疑い患者における0/1時間ルールイン・ルールアウト アルゴリズム」にフォーカスを当てて、優れた診断精度や臨床活用法など分かり易く解説しています。

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