また、2015年に欧州心臓病学会(ESC)より発刊されました『Guidelines for the management of acute coronary syndromes in patients presenting without persistent ST-segment elevation』には、「健常人における心筋トロポニン(cTn)の検出率が50%以上である」(狭義の)高感度測定を用いた0/1時間ルールイン・ルールアウト アルゴリズムが掲載されました。2018年に第4版へ一新されました『Fourth Universal Definition of Myocardial Infarction』においても、(狭義の)高感度測定を使用すれば心筋トロポニン(cTn)の連続測定による診断の際、2回目の心筋トロポニン(cTn)検査までの時間を短縮できることが示されています。
さらに、2020年に発刊された欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインでは、2015年と比較し、以下のように大きく5つのポイントで改訂されました。
- High sensitivityトロポニンアッセイ が推奨され、 入院直後に測定して60分以内に結果を得られる事 [Class I rec; Level B evidence]
- 0/3hアルゴリズムが検証済のHigh-sensitivity (or sensitive) トロポニンアッセイ が使用可能な場合は、0/1h アルゴリズムの代替えとして、0/3hアルゴリズムでの迅速ルールイン/ルールアウトを検討. [Class IIa; Level B]
- 0 / 1hアルゴリズムが検証済のHigh-sensitivityトロポニンアッセイが利用可能な場合は、ESC 0 / 1hアルゴリズムを推奨。0 / 1hの結果が決定的でなく、臨床状態がまだACSを示唆している場合、3時間後の追加のテストを実施。 [Class I; Level B]
- 0/1hアルゴリズムの代わりに、0/2hアルゴリズムが検証済のHigh sensitivity トロポニンアッセイが利用可能な場合は、ESC0/2hアルゴリズムを推奨。 [Class I, Level B]
- 初期診断では、追加のマーカーを定期的に測定することは推奨しない (e.g. h-FABP, copeptin)
ESC2020ガイドライン3.3.4.1 (P15)
NSTE-ACS(虚血性心疾患)が疑われる場合、4つの臨床変数がhs-cTNに影響すると記載があります。
- 年齢
- 腎機能障害(心臓病)
- 胸痛発症経過時間
- 性別
Atellica IM用の男女カットオフ値(Sex-specific 99% tile)は以下の通りです。