過去画像はフィルムですので、画質において診断に違和感がないことを重視しました
きつこう会ヘルスケアシステム
多根クリニック
山田院長:フィルムの時代にはシャウカステンにかけて拡大鏡で診断していましたが、現在はデジタル画像を用いたモニタ診断へ移行しています。 診断媒体が違うため、それぞれの良さや特長があると思います。マンモグラフィ検査で捉えるべき石灰化病変に関しても、それぞれに特徴がありますが、大きな違和感はなく診断しやすいと思います。
國下技師:タングステン(W)ターゲットを採用したことにより、一層の低被ばく撮影を実現していると感じます。以前に扱ったことのある装置よりも、高画質な画像が得られ、マンモグラフィの強みでもある高濃度乳腺に隠れがちな石灰化が見やすくなり ました。モニタ診断が主流になっている現在ですが、デジタルに対応した画像処理パラメータにより、操作卓のモニタ上においても石灰化などの病変が見やすくなったと感じています。薄い乳房も何人か撮りましたが、ほとんど違和感 はありません。オート撮影を行っていますが、薄い 乳房の撮影条件においても、管電圧およびmAs の数値を確認して、いずれも適正値が出ています。ほとんどの乳房で1.2m Gy 前後で撮影できています。低被ばくでこれだけの画質が得られるのはありが たいですね。個々の乳房に合わせて最適な管電圧を自動的に設定するという、最適撮影機構Opdose の効果を感じます。
圧迫板は、しなる素材で手を抜きやすくなりました。小さな乳房の場合でも、手を抜いたら戻ってしまうということがなくなり、受診者からも圧迫時の痛みがなかったと言われるようになりました。
きつこう会ヘルスケアシステム
多根クリニック
MLO撮影時に、手と肘が置きやすい形状の撮影台になっていますので、手や肩に力を入れすぎることなく、ほぼリラックスした状態でポジ ショニングできます。基本的に、腕と肘がしっかり 置けないとMLO撮影のポジショニングは取りにくいのですが、撮影台の形が乳房を固定しやすくなっていますので、受診者も楽だと思います。
私からも 「ここに置いてくださいね」と指示が出しやすいですね。撮影中の圧迫板操作でも、乳房にあたると圧迫板のスピードが遅くなるSoft-Speed 機構により、しっかりとポジショニングできます。個々の乳房に最適な圧迫圧で一旦停止するOp-Comp 機能を搭載していますので、ポジショニングをしながらフットペダルで知らぬ間に最適圧以上に圧迫してしまうこともありません。受診者の方への負担は軽減されていると思います。
撮影台の厚みも薄く挟みやすいと思います。以前使用していたデジタルマンモグラフィの撮影 台は、横幅がかなり大きく、撮影台の厚みもかなりありましたが、MAMMOMAT Fusion では、撮影台の形状が曲線になっているなどの工夫が施され、MLO撮影時の脇の痛みも少なくなったと思います。撮影台の厚みが薄いので、CC撮影時に腹部に当たりにくいだけでなく、MLO撮影でも身体が後ろにいきやすく、腹部に当たる面積が少ないため、受診者の姿勢を動かしやすくなっています。コンパ クトかつスリムな撮影台のおかげで、受診者も脇の位置と身体を真っすぐに保つのが楽になりました。
圧迫板は、しなる素材で手を抜きやすくなりま した。小さな乳房の場合でも、手を抜いたら戻ってしまうということがなくなり、受診者からも圧迫時の 痛みがなかったと言われるようになりました。圧迫板に対して撮影台が大きいため、シフティングパド ルという圧迫板をスライドさせるものを使用します。これを使用することでしっかりと大胸筋を入れられる 高さになり、ポジショニングがすごく楽になりました。
Siemens Future Vol.31 P30-32抜粋(2016年5月30日取材)
MAMMOMAT Fusionの導入までの背景と使用されてからのご感想について、山田毅 院長、田中均 技師長、國下文子 技師にお話をうかがいました。
主なインタビュー内容
- マンモグラフィ導入までの背景について
- 導入されてからのご感想
- 被ばくと画質のバランスについて
- 搭載している間接変換方式FDの画質について
- 操作性についてのご感想