米盛病院を運営する社会医療法人緑泉会(鹿児島県鹿児島市 理事長 米盛公治)とシーメンスヘルスケア株式会社(東京都品川区 代表取締役社長 櫻井悟郎)は、MES(Managed Equipment Services:医療機器環境のアウトソーシング)をベースとした14年間のパートナーシップを締結しました。本パートナーシップにより、整形外科に加え、脳神経外科・循環器内科・心臓血管外科など、専門性の高い疾患領域における米盛病院の医療機器環境を5~6年(予定)の間に刷新するともに、シーメンスヘルスケアの持つAIやオートメーション技術などのノウハウを生かして、両者で高度な医療の提供を通じた地域への貢献を目指してまいります。
パートナーシップの概要
1.MES(Managed Equipment Services:医療機器環境のアウトソーシング)による高度で先進的な医療の持続的提供
MESとは、医療機関に医療機器を販売するのではなく、施設内にシーメンスヘルスケアが投資して整えた医療機器環境を、医療機関側が定額で利用するインフラ提供型サービスです。高度な医療の提供に必要な医療機器の購入および保守・管理、ソフトウェアのアップデートには、10年や20年という長期に渡る購入計画や予算の立案が必要になることに加え、高額の医療機器の導入時には、医療機関側の支出が一時的に大きく増加するなど、病院経営を一時的に圧迫します。MESモデルにより、医療機関側は医療機器に関する導入・予算計画の作成業務の負荷を低減しながら、支出を均一化することができます。
- シーメンスヘルスケアは、契約期間中、定額で米盛病院の医療機器導入・整備を受託し、中長期の医療機器の導入・更新計画の作成支援を行います。
- 米盛病院は、医療機器環境の整備をアウトソースすることで、患者さんの診療に人的資源を集中させることができます。高度な医療機器を長期に渡り平準化された費用で導入することで、病院経営を安定させながら、高度で先進的な医療の提供が可能になります。
2.米盛病院の成長戦略実現に貢献する、ハード面・ソフト面の最適化提案
シーメンスヘルスケアの親会社であるSiemens Healthineers(ドイツ)は、世界160の医療機関とMESをベースとしたパートナーシップ契約を締結しており、診断機器・治療機器の環境整備やハード面・ソフト面の改善支援に加え、当社の持つAIやオートメーション技術などのノウハウを生かして、医療機関の成長戦略実現に貢献するソリューションの提案を行っています。この度、米盛病院では、整形外科に加え、脳神経外科・循環器内科・心臓血管外科など、専門性の高い疾患領域を中心に高度な医療機器環境を構築していく予定ですが、その中でも開院当時から注力してきた整形外科領域では、国内初導入となる装置の導入を皮切りに大幅な刷新が計画されています。そうした中、本パートナーシップにおいて、シーメンスヘルスケアは、上記の実現に向け、以下のようなソリューションの提案を行います。
- 先進的な医療機器による次世代の医療環境の提案(整形外科においては、国内初導入となる装置導入を含めた大幅な刷新を予定)
- AIや自動化技術を活用した業務の効率化支援
- 医療従事者に選ばれる病院作りに貢献する施策の提案、等
社会医療法人緑泉会 米盛病院 理事長・院長 米盛 公治は、以下のように述べています。
米盛病院は、2024年8月に、重篤な患者を24時間・365日体制で受け入れる救急救命センターに指定されました。本パートナーシップを生かして先進的な技術を取り入れ、鹿児島および南九州における高度な地域医療の提供に注力してまいります。今後も引き続き、“一秒を救う。一生につなぐ。”というコンセプトのもと、地域のみなさまの命と人生に向き合い、地域医療への貢献を続けてまいります。
先進的な医療機器の導入を通して、より精度の高い診断・治療環境を構築し、医療の質の向上を目指す
シーメンスヘルスケアは、米盛病院の目指す、より質の高い医療の提供の実現のため、それぞれの診療科に適した医療機器の提案を行い、今後5~6年(予定)の間に以下の装置を米盛病院に導入し、2038年までの契約期間の間、装置の保守に加え、ソフトウェアのバージョンアップなどを請け負います。特に米盛病院が注力してきた整形外科領域では、国内初の導入となる自走式の外科用モバイル 3D Cアーム装置 「CIARTIC Move」を皮切りに、2030年までに合計4台のCアーム装置を導入する等、大幅な医療機器環境の刷新が計画されています。あわせて、常に最新のソフトウェア環境も整備し、米盛病院の提供する医療の質の向上に貢献します。
より高度で効率的な外科手術に貢献する、自走式モバイル 3D Cアーム装置 「CIARTIC Move」を
国内初導入
本パートナーシップに基づき、米盛病院は2024年8月1日に自走式モバイル 3D Cアーム装置 「CIARTIC Move」を日本国内で初めて導入しました。モバイル3D Cアーム装置とは、手術中に患者さんの体内をリアルタイムに観察するための装置であり、脊椎や関節など、正確な位置を確認しながら手術を進める必要がある場合に使われます。CIARTIC Move は、多方向に精緻な自走が可能なセルフドライビング機能を有し、ワイヤレスコントローラーによって操作が可能な自走式モバイルCアーム装置です。Cアーム位置の調整から本体の車輪の動きまで全てが電動制御されているため、術中の撮影に関するワークフローを自動化し、従来の手動の移動式Cアームイメージングシステムと比べて術中の装置使用を約50%短縮することができます*。術中のCアーム操作の時間を短縮することで、患者さんへの身体的負荷軽減、手術スタッフの被ばく量の低減、手術室の効率的運用による病院の経営効率改善に貢献します。
「CIARTIC Move」導入のメリットとして、以下のような点が挙げられます。
- 患者さんのメリット
高精度な2D・3D画像技術の活用により、治療精度と安全性の向上に貢献します。自動撮影や位置調整による手術時間が短縮され、患者の負担が軽減されます。また、効率的な画像取得で放射線被ばく量も低減され、より安全な治療環境を提供します。 - 医療従事者のメリット
手術中の画像ワークフローを自動化することで、従来の手動の移動式Cアームイメージングシステムと比べて術中の装置使用を約50%短縮することができ*、手術室スタッフの負担軽減に貢献します。装置の移動や位置調整に要する時間、労力、必要な人員負担を削減・最適化し、手術室での作業をスムーズかつ効率的にサポートします。
CIARTIC Move については下記をご覧ください
社会医療法人緑泉会について
社会医療法人緑泉会(鹿児島市)は、1969年に開院した「米盛整形外科医院」をルーツとする「米盛病院」を中心に、「与郎米盛クリニック」「まろにえ介護老人保健施設」「マロニエ訪問看護ステーション『護国』」等を展開し、地域に根ざして医療から介護まで一貫して提供できる体制を構築しています。「米盛病院」は2014年の移転を機に救急医療に注力し、整形外科に加えて脳神経外科、循環器内科、心臓血管外科等生命に直結する疾患に対応する診療科の拡充と、回復期リハビリテーション機能の一層の充実化により、「一秒を救う。一生につなぐ。」というコンセプトのもと、多くの方の命と人生に向き合っています。2023年度の手術件数は6,015件で、その7割強を占める整形外科の手術件数は全国上位の実績です。救急搬送受入件数は6,568件で、1次から3次まで幅広く対応しており、2024年に鹿児島県より救命救急センターの指定を受けております。
報道機関からのお問い合わせ先
社会医療法人 緑泉会
法人本部 連携広報室 萱嶋(かやしま)
シーメンスヘルスケア株式会社
コミュニケーション部 堀本(ほりもと)
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