今日では当たり前のように生活の中にあるX線ですが、125年前の発見当時は医療技術における革命でした。1895年11月8日、ドイツ・ヴュルツブルクでのヴィルヘルム・コンラッド・レントゲン博士(Wilhelm Conrad Röntgen)によるX線の発見は、未知とされていた人体内部について新しい洞察をもたらし、医学の新しい時代の到来を告げました。その後、Siemens Healthineers の前身であるシーメンス&ハルスケ社とライニガー・ゲバート&シャール(RGS)社は、X線管とその装置の工業生産に注力し、X線技術はさらなる発展を遂げていきました。今日、X線技術は多くの医用画像の基礎となっており、日々の生活において不可欠なものとなっています。Siemens Healthineers は、多くの人に影響をもたらしたレントゲン博士の画期的な発見を称え、この1年さまざまな企画を予定しています。
Siemens Healthineers AGの取締役クリストフ・ツィンデルは、次のように述べています。「X線技術の工業利用の始まりは125年前でしたが、当時から私たちはこれに携わり、今でもこのイノベーション精神を体現しています。その強い技術基盤と臨床専門性によってSiemens Healthineersは、医療のデジタル変革においても独特の存在感を示しています」。
Siemens Healthineers はこの1年を”Year of X-rays 2020”とし、毎月様々な観点でX線技術を紹介していきます。
特設サイト"125 years of X-ray"(英語) では、歴史的な記事やビデオなどの新しい資料を掲載していきます。ドイツ・エアランゲンのSiemens Healthineers MedMuseum では、1902年以降のX線装置、当社初のCT装置(1975年~)など豊富な歴史展示を予定しています。
Siemens Healthineers のルードルシュタット工場では、ライニガー・ゲバート&シャール(RGS)社が製造し、レントゲン博士によって購入された最初のX線管を復元中です。X線管の型式が古いため、この復元作業は非常に難しいものです。
ビュルツブルクで物理学を教えていたレントゲン博士は、ガラス管に2つの電極を付けて行った気体放電の実験中に、偶然、X線を発見しました。その際発生した光は蛍光板で観察することができました。また、ガラス管を遮光して暗い部屋の中に置いたところ、ガラス管の近くにある蛍光板は暗闇の中でも光を放ちました。博士はガラス管と蛍光板の距離を離していきましたが、光の放射は変わることなく、プラチナと銅線だけがこの放射を遮ることができました。さらに博士はこの光線の中に自分の手を置き、蛍光板に自らの手の骨を映し出しました。当時の様子が証拠写真として残っています。これが、X線の誕生です。このわずか3日後、ライニガー・ゲバート&シャール社は、のちにレントゲン博士が購入することになるX線管の製造を始めました。X線技術は現在においても、CT、マンモグラフィ、一般撮影装置をはじめ、画像をベースにした革新的な治療コンセプトや、低侵襲のアンギオグラフィ、モバイルCアームなど、Siemens Healthineers の製品ポートフォリオに幅広く使用されています。
X線発見125周年を記念した特設サイトはこちら(英語)。日本語ダイジェスト版も順次公開していく予定です。
本資料はSiemens Healthineers AGが2020年1月3日に発表したプレスリリースを日本語に抄訳したものです。本資料の正式言語はドイツ語・英語であり、その内容及び解釈については両言語が優先します。原文プレスリリース及び関連資料は以下のリンクよりご覧いただけます。
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