乳がんの早期発見に向けてあなたらしい人生のために、ご自身にあった乳がん検診を

乳がんについて

ご存じですか?11人に一人、という事実 

乳がんは、日本人女性が最もかかりやすい、身近ながんです
乳がんを患う日本人女性は年々増え続け、1年間で新たに乳がんと診断される方は9万人を超えています。2016年の統計によると、日本人女性の11人に1人が罹患すると言われています*

しかし、早期に発見し、適切な治療とアフターケアを行えば乳がんはほとんどのケースで根治できるようになりました。多くの方が不安やつらさを乗り越えて、社会生活に戻っています。早期発見のためには、まず、あなた自身を知ることが何よりも大切です。ご自分の身体の変化を感じたり、定期的に見たり、触れたりして確かめること。ご自身の乳腺濃度や遺伝性のリスクを知ること。そして、あなたに合った検診方法や対応があるということを、ぜひ知ってください。早期発見、早期治療につなげるためにも、その時のご自身に合う検診を積極的に選ぶ時代が、もう来ています。

部位別罹患率推移(女性/全年齢)

乳がんの発生・増殖には、女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていることが知られています。体内のエストロゲンが多いこと、体外からエストロゲンを加える経口避妊薬の使用や閉経後のホルモン補充療法は、乳がん発生のリスクを高めます。また、食生活の欧米化による肥満の増加や、女性の社会進出やライフスタイルの多様化による高齢出産や未出産の増加も影響があると言われています。生活習慣では、飲酒、閉経後の肥満、運動不足なども乳がんの発生するリスクを高めるとされています。そのほか、乳がんになった家族がいる、乳腺疾患にかかったことがあるなど、さまざまな要因があります。

乳がんのリスク因子

  • 年齢が40歳以上
  • 未婚の人
  • 高齢出産のひと(出産をしていない人)
  • 初潮が早く、閉経が遅い人
  • 肥満の人(閉経後)
  • 血縁者に乳がんになった人がいる
  • 乳腺疾患にかかったことがある
  • 乳がんになったことがある
  • 閉経後ホルモン補充療法・経口避妊薬使用の経験がある

乳がん5年生存率グラフ
乳がんの5年生存率

乳がんは治癒率の高いがんと言われています。
がん細胞が乳管や小葉に留まっている場合(病期0: 非浸潤性乳がん)は、ほぼ100%治ります。しこりの大きさが2センチ以下でリンパ節転移がない場合(病期I)の5年生存率(治療をして5年後の生存率)は95%以上です。ただし、発見が遅れると治療負担は大きくなり、生存率も低くなります。 

病期0

非浸潤がん:乳がんが発生した乳腺内に留まっているもの

病期Ⅰ

しこり2cm以下リンパ節への転移なし

病期Ⅱ

A

しこり2cm以下でわきの下のリンパ節に転移あり
しこり2.1~5cmでリンパ節に転移なし

B

しこり2.1~5cmでわきの下のリンパ節に転移あり
しこり5.1cm以上でリンパ節に転移なし

病期Ⅲ

A

しこり5.1cm以上でわきの下のリンパ節に転移あり
わきの下のリンパ節転移がある、またはわきの下の
リンパ節転移を認めず、胸骨傍リンパ節に転移あり

B

皮膚や胸壁に浸潤のあるもの

C

鎖骨下リンパ節や鎖骨上リンパ節に転移が拡がっているもの

病期Ⅳ

乳房から離れたところに転移しているもの

人の見た目や性格がさまざまであるように、胸のかたちや大きさにも個性があります。ご自身の胸のタイプを知ることは、最適な検査方法を見つけることや、早期発見への助けとなります。


乳がん検診

あなたに合ったものを、組み合わせて検査する。これからの乳がん検診のカタチです

小さなしこりや石灰化を見つけるのが得意なマンモグラフィ。乳腺濃度の高い若い女性の診断に有用な超音波検査。遺伝性乳がんの発見率が非常に高いと言われているMRI検査。それぞれの画像診断装置の特長を活かして、一人ひとりの状態に最適な検診を行うことで、乳がんの早期発見、早期治療を可能にします。

Mammography Revelation Key Visual

乳房X線撮影(マンモグラフィ)

乳房専用装置でX線撮影を行います。乳腺が重なり合って病変を見逃さないよう、乳房をプレートと撮影台に挟んで圧迫し、薄く引き延ばして撮影します。微量の放射線被ばくをともないます。石灰化(カルシウムの沈着)をきっかけに診断される乳がんの場合に、特に有用な検査です。

At this year’s ECR Vienna automated breast ultrasound was presented to be able to play a key role in the implementation of personalized screening.

乳房超音波検査

乳房に超音波をあて、乳腺内の腫瘤(しこり)などを調べる検査です。人体に害のない音波を用い、圧迫の痛みもないので、妊婦の方でも安心して検査を受けることができます。乳腺濃度に影響されず、しこり内部の構造が鑑別しやすい検査ですので、乳腺濃度が比較的高いと言われている日本人女性には、マンモグラフィと併用することで、安全で検出率の高い検査が期待できます。

Siemens Healthineers has introduced new healthcare technology in the field of MRI at RSNA 2018.

乳房MRI検査

磁場を利用して体内組織の状態を把握する検査です。必要に応じて造影剤を使用し、所要時間は30分程度です。乳がんと正常な乳腺組織の判別や患部の広がり状態を診断することに適しています。マンモグラフィや超音波検査よりも高い感度(病変の発見率)があるとする報告もあります*

定期的なセルフチェックも大切です

乳がんセルフチェック範囲
セルフチェックを行う範囲


乳がんは身体の表面に近い場所で発生するため、ご自身でも調べることができます。定期的にセルフチェックを続けることで、いつもと違う変化に気づくことができます。検診に加えて定期的なセルフチェックを行いましょう。

鏡の前で乳房のかたちをチェックしましょう

セルフチェック

① 鏡の前に立ち、両脇の力を抜いて自然に下げたまま、左右の乳房のかたちや大きさの変化、乳房まわりのへこみや皮膚のひきつれ、乳首のへこみやただれを調べます。

セルフチェック

② 両脇をあげた状態で同様に調べます
(しこりがあると、そこにへこみができたり、ひきつれが起きたりすることがあります)

仰向けになってチェックしましょう

セルフチェック

③ 仰向けに寝て、あまり高くない枕などを背中の下に入れます。左手は頭の下に入れます。右手の指をそろえてのばし、まず左乳房の内側にしこりがないか調べます。

セルフチェック

④ 右手を乳房の内側(乳首よりも内側)にのせ、指の腹を胸の中央部に向かって、柔らかく、しっかり滑らせるようにし、しこりの有無をまんべんなく調べます。

セルフチェック

⑤ 同じ姿勢のまま左腕を自然な位置に下げ、今度は乳房の外側の部分を外から内に向かって、柔らかく、しっかりと指を滑らせて調べます。
⑥ 右乳房も同様の方法で調べます。

ワキの下のリンパ節、乳頭をチェックしましょう

セルフチェック

⑦ おきあがり、右手の指をそろえてのばし、左ワキの下に入れてしこりがないかを指先で確かめます。右ワキの下も同様に調べます。

セルフチェック

⑧ 左右の乳首を軽くつまんで、乳を搾るようにして、血液の混じった分泌物が出ないかを確かめます。

  • しこり(乳房・ワキの下)
  • 乳頭からの分泌
  • 経周期以外の痛み
  • 乳頭の湿疹・びらん(ただれ)
  • 乳房皮膚のくぼみ・ひきつれ
  • 乳房皮膚の色の変化