[取材にご協力いただいた先生方]
放射線室 喜友名 聡 技師長
放射線室 金城 幸乃 技師
MAGNETOM Verioコンソールリフレッシュ B19Bバージョンアップ
syngo RESOLVE導入:2018年9月(MAGNETOM Verio導入:2009年2月)
当院はVerio導入よりEvolve契約を結んでいなかったため、2009年当初のソフトウェアバージョンから新しいシーケンスなどを使用できない状況でした。またコンピュータも経年使用により安全性に不安を持ち使用していました。また3T MRI装置のため特にDWIの歪み対策は苦慮していた中、最新バージョンB19BでsyngoRESOLVEが使用できるということで、コンソールリフレッシュで最新コンピュータも合わせたバージョンアップを選択しました。将来的にSkyra fitへのバージョンアップを検討しており、さらなる技術の更新に期待しています。またその際には、必ずEvolveを含んだ保守契約を結び、長期的な点検計画とハードウェア、ソフトウェアの更新で安全性を確保していきたいです。
Clinical Images
症例:胸部肋骨腫瘍|TSE DIXON
胸部オフセンター領域でも均一な脂肪抑制効果が得られている。
従来のCHESS法では、不均一な脂肪抑制により病変を描出することに苦労していました。TSE DIXON法はFOVを広範囲に広げても均一な脂肪抑制効果が得られるので、積極的に取り入れています。
また、膝や圧迫骨折患者の脊椎など体動が多い領域では、脂肪抑制あり・なしを一度に撮像できるので時間短縮に有用です。
症例:髄膜腫|Blood Suppression
血管の拍動によるアーチファクトが目立たず、病変とのコントラストも保たれている。
頭部造影後のT1WIでは、フローアーチファクト対策としてFlow Compensation法を使用していましたが、Blood Suppression法が使用できるようになり、血管信号の増強が抑えられ、小脳転移や脳腫瘍の描出が明瞭となりました。
症例:脳幹梗塞|syngo RESOLVE*
Single Shot Diffusionに比べ大幅に歪みが改善しSNRも向上し、これまで撮像を諦めていた領域や断面で撮像が可能になる。
側頭骨(含気骨)と側頭葉の境界で歪みが改善されている。また、頭蓋底領域は歪みやすくアーチファクトか病変か診断がつきにくいことがあったが、RESOLVEを使用することにより、頭部錐体路付近の脳幹部の構造まで詳細に描出でき診断に迷うことが少なくなった。
症例:乳癌(硬癌)|syngo RESOLVE*
以前は、STIR法を併用しても脂肪抑制不良によるアーチファクトが病変と重なり、 十分な画質が得られず撮像を諦めてい た。RESOLVEは歪みが改善し、SPAIR法で十分な画質が得られほぼ全ての病変が描出できている。
症例:頸髄腫瘍(髄外腫瘍)|syngo RESOLVE*
肺や気管の空気の影響を受けておらず脂肪抑制不良によるアーチファクトが無く、歪みも大幅に低減できている。 また、矢状断で撮像可能となり広い範囲での撮像、腫瘍の形状、位置が構造学的に理解しやすい画像を得ることができる。
* オプション