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時田 貴史 先生

きみつ腎・泌尿器クリニック(千葉県君津市)は、基幹病院で高度医療を受けた患者さんの継続的な診療を担う病診連携の受け皿となること、かつ地域で専門医療を受けられる診療所であることをコンセプトとして、2022年5月に開業しました。Web予約システムや自動精算機、そしてCT装置を備え、いずれ泌尿器がん早期発見のための検診体制普及にも貢献したいという時田貴史院長に、設備投資でどのようなことを重視しているのか、お話を伺いました。

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写真1:院内の様子
誰でも居心地よく感じてもらうようナチュラルな雰囲気にしている。

 開業されている先生方、開業を予定されている先生方であれば誰でも、機器の取捨選択や投資額について悩むことと思います。私の場合、受け入れ先を求めている基幹病院の先生方や、気軽に受診できる泌尿器科専門クリニックを探している患者さんから「あってよかった」と思っていただけることを開業コンセプトとし、それを実現するために「後悔しないこと」を判断軸にしました。
 特に、開業前から集患にはあまり不安を抱いていなかったため、それよりも、うまくいった場合の受付や会計の混雑と診察の待ち時間の長期化を危惧していました。どれほど優れた医療を提供しても、待ち時間が長ければ患者さんの満足度は下がります。「小回りが利く」ことがクリニックの良さであり、それを生かす運営体制が必要です。また、混雑はスタッフの疲弊も招き、それは提供する医療の質にも影響するでしょう。Web予約システムと自動精算機は必須アイテムと考え、導入を決めました。

 臨床面で不可欠と考えた設備はCT装置でした。泌尿器科のクリニックにCT装置を置くことは、経営的なリスクと考える先生もいるかもしれません。しかし、先ほどの開業コンセプトから考えれば、専門的な診断を迅速に下せることは当院には重要でした。受診当日に検査を受け、診断が確定できれば、患者さんは安心して帰途につくことができますし、基幹病院への紹介もよりよい情報量で自信をもって行えます。
 また、当院には、がんフォローの患者さんが多数紹介されています。そのなかでも前立腺がんの患者さんでは、前立腺特異抗原(PSA)の数値が安定していても、がんが転移している例は少なくありません。前立腺がんはPSAと画像、症状を総合的に診ながらフォローする必要があります。適切なフォローを継続できる体制を整えることで、地域医療連携における役割を果たし、紹介してくれる先生方の信頼に応えることにつながると考えています。

 CT装置の選定において、画質はもちろん、少人数での運用と操作性を考慮しました。スタッフ数が限られたクリニックでは、患者さん対応や検査プロセスの省力化が重要です。当院に導入したCT装置は、撮影全体がさまざまな機能で自動化されており、高精細な画像が何度かボタンを押すだけで得られます。そのため必然的に検査時間は短く、相対的に患者さんの待ち時間やスタッフの負担を減らすことができています。
 加えて、患者さんへの被ばく線量も大きなポイントでした。当院のCT装置は被ばく線量が低く、それでも高精細な画像を得られることが特徴で、他院でCT撮影を直近に受けられた方にも、必要な検査を安心して検討しやすくなります。また、何度か妊婦さんの尿路結石症例にも遭遇していますが、そのときは当院装置のメーカーのコールセンターに概算被ばく線量を計算していただきました。その結果、当院内で安心してCT検査を受けてもらうことができ、無事、患者さんに迅速な治療を行うことができました。

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写真2:プライバシーを配慮した女性用の待合スペース

 診療用機器だけでなく、患者さんが来院しやすく居心地が良いと思ってもらえる空間作りにも設備投資を行っています。女性用の待合いスペースや、待ち時間で自由に使えるワークスペースなども設置してきました(写真1~3)。
 開業から約1年が経ち、こうした設備投資が正解であったことを実感するとともに、地域の受け皿となることを超えて、さらに実現したい目標も見えてきました。周辺4市(富津市、木更津市、君津市、袖ケ浦市)で泌尿器がんの検診を広めることです。膀胱がんや前立腺がんといった泌尿器のがんは無症状が多く、進行した状態で見つかることが多くあります。一方、早く見つかれば手術で治せる可能性は高くなります。死亡率が低くても継続治療に大きな医療費がかかるような疾患もありますので、こうしたことを少しずつでも行政等に働きかけ、早期発見率を向上させていきたいです。

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写真3:患者さんが待ち時間に利用できるワークスペース 

(2023年8月3日取材)

#設備投資が診療と経営を変える

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