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西岡 伸明 先生

大阪・神戸のベッドタウンとして開発され、働き盛りの世代も暮らしやすいまちとして発展してきた兵庫県の
「日生ニュータウン」中心部で、大型商業施設に併設の医療テナントとして2018年、西岡内科在宅クリニックが開院しました。院長の西岡伸明先生は、プライマリ・ケア施設として地域に貢献したいという思いのもと、職住近接の立地も生かし、地域住民に寄り添ったかかりつけ医の役割を引き受けてきました。西岡先生の思いの背景にあるものや、目指す医療を提供するために取り組んできたことについて、お話を伺いました。

 いくつかの医療機関で勤務医として経験を積みながら、開業場所を探していた私が選んだのは、日生ニュータウン内にある自宅近くの立地でした。地域住民のかかりつけ医としての役割を担うにあたり、患者さんの緊急時にはすぐ対応できることが立地条件として重要だと考えたのです。そしてちょうど同時期に、開業セミナーへの参加でご縁ができた医薬品卸売業者の方から、この地域の主要駅である日生中央駅の近くで大型商業施設の開発計画が立ち上がっているという話を伺いました。医療テナントとしてクリニックの併設も予定しているということでいち早くご紹介いただき、施設全体の設計段階から意見や要望もいろいろと言わせてもらえたこともあって、希望どおりの開業にこぎつけることができました。
 買い物帰りなどに気軽に立ち寄れる利便性の高い立地であるうえ、できるだけ幅広い診療ニーズに応えられるよう内科と皮膚科を標榜しているので、現在、当院を受診する患者さんは乳幼児から超高齢者まであらゆる年齢層に及びます。日常的疾患を中心に診療しており、内科では発熱症状のほか、生活習慣病全般、消化器疾患、呼吸器疾患などが多く、1日の外来患者数は100人ほどです。一方、皮膚科は開業前、私自身が地域住民の1人として近隣に欲しいと感じていた診療科でして、現在は1日50人ほどが当院の外来にいらっしゃいます。
 このほか、末期がん患者さんなどの在宅療養希望に対応して訪問診療も行っています。

 当院の開業にあたり私が目指したのは、地域で完結した医療提供を可能にするためのプライマリ・ケアの担い手となることでした。すなわち、患者さんの重症度や緊急性を的確・迅速な診断で見極め、入院治療が必要と判断すれば病診連携により地域の急性期病院に紹介するが、それ以外の患者さんについては治療まで引き受ける――そうしたプライマリ・ケア施設という、私が考えるクリニック本来の役割を、1人の町医者としてしっかり果たしていきたいと考えたのです。
 このような地域医療の担い手を志した背景には、もとより「道で倒れている人を救える人になりたい」というシンプルな思いで医師になったことに加え、過去に救急病院に勤務していたとき、夜間や休日に時間外受診する患者さんのうち、少なくない割合を軽症の方が占めている状況を目の当たりにしたことがあります。本来、そうした患者さんの受け皿こそ地域のかかりつけクリニックの役割なのではないかと感じていました。そこで、地域に密着した町医者として、初期救急医療も含めてあらゆる患者さんのプライマリ・ケアを担い、対応可能なかぎりは診断・治療まで完結して引き受けることを理念として、開業を目指すことにしました。
 幅広く患者さんの受け皿を担うには相応の知識とスキルの幅が必要となりますが、これに関しては、多様な現場でさまざまな疾患の診断・治療を手掛けてきた経験の積み重ねが役に立ちました。一般外科を専攻していた研修医時代に、手術治療の修練を積みながら、夜間当直医として多くの内科系疾患の診療にも携わってきたことを皮切りに、地域中核病院への着任後は、医師の退職により現場が人手不足に陥った影響で、救急をはじめ内科での診断から外科での手術治療までを一貫して担っていました。現場での必要に迫られ、多様な診療スキルを実地で身に付けてきたことが、当院でのプライマリ・ケアの実践を支えていると感じています。

(2024年6月7日取材)

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