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荒木 俊光 先生

三重県津市で整形外科診療を柱に、地域に密着した医療を提供している新町整形外科診療所は、併設されたデイケア施設およびサービス付き高齢者向け住宅の連携医療機関としての顔も持っています。2020年4月に院長に着任し、患者さんの満足が何よりも大切だという荒木俊光先生に、その思いを形にするべく取り組んでいるクリニック運営や診療の実際についてお話を伺いました。

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クリニック外観。サービス付き高齢者向け住宅「大園荘」、デイケア施設「デイケア芭蕉」が同一建物内に併設されている

 当院は三重県津市中心部の南西に広がる閑静な住宅街に立地し、地域密着で診療を展開する整形外科を主としたクリニックです。整形外科の患者さんは、スポーツ外傷や一般的な外傷で受診する若年~就労世代の方から、主に加齢に伴う変性疾患で受診する高齢者の方まで幅広く、土曜午前を含む週6日の外来診療を行っています。加えて精神科も標榜しており、うつ病を含む精神疾患やメンタルヘルス全般に対する外来診療を2人の非常勤医師により週3日行っています。
 立地面の特徴としては、同一建物内にデイケア施設とサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)が併設されており、それらの連携医療機関としての役割も担っていることが挙げられます。それにより、両施設の利用者に対する医療サービス提供が当院の収益の重要な柱となっています。
 デイケア施設では、高齢者の生活機能維持・向上を目的とした各種プログラムを提供しており、医師による指示・監督が必要なため、私を含む当院医師が持ち回りで赴き、回診しています。精神科医が在籍しているため、「精神科デイ・ケア」として診療報酬算定可能なプログラムも提供可能であり、特色ある収益源となっています。
 併設のサ高住からは、入居者が変性疾患や外傷などでしばしば外来受診します。特に当院はMRIを設置しているため、転倒により頭部を打撲した入居者が頭部MRI検査を希望して来院することが比較的多くあり、サ高住スタッフから念のため検査しておきたいと依頼されることもあります。すぐ近くで受診でき、MRI検査も受けられるということで、サ高住にとっては当院の存在が入居者やスタッフの安心につながっていると感じています。

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2023年1月より稼働している0.55T MRI装置MAGNETOMFree.Star(シーメンスヘルスケア株式会社製)

 2020年4月に院長に着任して以来、私が診療方針の要として常に大切にしてきたのは、来院してくれた患者さんに満足してもらい、気持ちよく帰ってもらうということです。
 診察では明るい態度で接し、説明は関節模型やパンフレットを活用してできるだけ分かりやすく行うことを心掛けています。当院着任以前に勤務していた大学病院では、手術治療に携わることが多く、患者さんからのインフォームド・コンセント取得に十分な時間をかける必要がありました。その影響で、患者さんには丁寧な説明を尽くして治療への理解を得ることが当然の習慣として身に付いていると思います。
 また、当院の受診理由としてMRI検査の希望を挙げる患者さんが多いため、予約のない方でも当日中のMRI検査希望があれば、可能なかぎり対応するようにしています。他施設で検査待ちの日数がかかると言われ、当院ならすぐに検査が受けられることを口コミなどで知って来院したという患者さんも少なくありません。なお、MRIの設置は私の着任以前から当院のアピールポイントの一つであり、2023年1月に機種更新を行ったことも、ホームページや刷新した院内ポスターで周知に努めています。

 もちろん、より質の高い診療を提供することも、患者さんに満足してもらうためには必須です。当院では、腰椎変性疾患の第一人者の先生、関節リウマチのエキスパートの先生に、非常勤医師として整形外科の外来を担当してもらう体制としています。私が診察した患者さんについて、診療上の疑問点があればすぐに相談できますし、専門的見地からあらためて診察してもらうこともあります。お二人とのチーム医療により診療レベルの向上が実現できており、心強く感じています。
 患者さんが親しみを感じられる院内の雰囲気作りも重視しています。看護師、看護助手、理学療法士、放射線技師、医療事務といったスタッフが受付に花を飾ったり、ホームページのスタッフブログに投稿したり、主体的にさまざまな工夫をしてくれています。当院のスタッフは勤続年数の長い人が多く、人間関係も良好で、和気あいあいとした職場の雰囲気が患者さんにとって居心地の良い空間にもつながっていると感じます。私はスタッフに接する際、院長として支えられていることに対する感謝の気持ちを常に持つよう心掛けています。

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院内の待合室

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(上)スタッフが受付に飾っている季節の花
(下)荒木先生が趣味で手作りしているルアーも受付に並んでいる


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