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医療法人社団 たんだ泌尿器科 第1回
時間をかけて築いた
緊密な病診・診診連携のなかで
専門的な泌尿器科診療を展開し地域に貢献
医療法人社団たんだ泌尿器科は、一般泌尿器科診療と外来透析を柱に北海道函館市で地域医療を展開しています。急性期病院との病診連携および近隣クリニックとの診診連携を両輪とした同院の医療提供について、2020年に着任した理事長の田崎雅敬先生にお話を伺いました。
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急性期病院の効率的な医療提供を支える
病診連携の実現を目指す
私はかつて、地域基幹病院の一つである函館中央病院の泌尿器科に勤務していました。その当時、つねづね感じていたのが、急性期病院である同院がより効率的な医療提供を行うには、急性期治療後の患者さんの受け皿としてしっかり機能できる地域のクリニックがもっと多く必要だ、ということでした。そこで私自身がその担い手となるべく、この十数年間、泌尿器科を標榜する複数のクリニックに勤務医として、また承継後の経営者として身を置き、理想とする病診連携を追求してきました。2020年からは、函館中央病院泌尿器科在籍時に上司であった丹田勝敏先生が2010年に開業した当院に理事長として着任し、丹田先生と医師2名の体制で、地域に専門的な泌尿器科診療を提供しています。
現在では函館中央病院以外にも、複数の急性期病院と連携しています。当院がそれらの病院で行われた急性期治療後の受け皿として機能するだけでなく、まず当院から患者さんを紹介し、急性期治療後に戻してもらって経過観察を担う形の病診連携も活発になっています。
販売名:ゾマトム go
認証番号:228AABZX00138000
CTを導入しているため急性期病院への紹介・
近隣クリニックからの検査目的紹介ともに多い
当院から急性期病院への紹介件数は多数に上っていますが、これに寄与しているのが当院で導入しているCTです。単純CT検査は泌尿器科診療にとってメリットの大きい検査と感じており、腎臓や膀胱壁に発生した病変を鮮明に描出し、患者さんに分かりやすく示すことが可能なうえ、医師が検査実施に要する時間は短時間で済みます。そのため、泌尿器領域の病変が疑われる場合、診断の第一段階として行うのに適していると考えており、当院の新規患者さんにはほぼルーチンで単純CT検査を行っています。加えて、近隣の内科系クリニックから単純CT検査依頼目的での患者さんの紹介も非常に多くなっており、現在、当院での単純CT検査実施件数は月に計140~150件に上っています。そうしたなかで単純CT検査だけでは確定診断できないと判断した症例や、癌が疑われた症例を、連携する急性期病院に紹介しています。長年の関係構築努力が奏功し、多くの病院が気軽に相談や紹介に応じてくれるうえ、急性期治療後の経過観察は当院が引き受ける形で、スムーズな連携診療が実践できています。
なお、当院では最近、CTを16列マルチスライス型の機種に更新しました。更新の決め手になったのが、卸業者さんから更新後の収益シミュレーション結果を示してもらったことでした。更新すれば1回の単純CT検査に対して算定できる診療報酬点数が増えるため、当院の実施件数から試算すると更新後2年程度で機器購入費用を回収でき、3年目以降は全額が利益になるという予測でした。医療機器の導入を検討する際は、業者さんに相談するとコスト面についても解決策の選択肢を示してくれることがあるので、積極的に課題共有しサポートを受けるのがよいと考えています。
紹介先・紹介元との
丁寧なコミュニケーションの積み重ねが
円滑な連携構築を可能に
近隣クリニックとの診診連携、急性期病院との病診連携の密なネットワークの中で、当院の医療提供は成り立っています。円滑な関係を構築するため、私が長年、一貫して実践してきたのが、紹介先宛ての依頼状や、紹介元への返信をできるかぎり丁寧に書くことです。急性期病院への依頼後に報告の返信を受けたら、あらためて御礼を書きます。近隣クリニックからCT検査の依頼を受けたら、丁寧な御礼を述べたうえで、報告は泌尿器科医にしか通じない用語や省略表記を使わずに、また予測されるリスクや必要な対策についての助言も含め書くようにしています。こうしたことを地道に続けてきた結果、今では近隣クリニックからの紹介が絶え間なく来ますし、急性期病院の多くの先生方とも、時間外であっても電話1本で緊急症例の対応を相談できる関係ができあがっています。